EXTREME-RX ギャラリー「6-3」追加しました。

オリジナルブランドEXTREME GUITAR FORCE製作品ギャラリーページに「6-3 Limited Edition」を追加しました。

RX Limited Edition

こちらのギター製作には数々の熱意がありました。最初に言っちゃえば、もう見たまんまで、JAMES TYLERの影響を受けまくっています。私が楽器業界に入った90年代の初め、斬新なデザインで知る人ぞ知るのマニアックなギターとして日本に入り始めたJAMES TYLERは、マイク・ランドウと、スティーブ・ルカサーが手にしていた影響から、日本国内のスタジオギタリストの愛用が始まりました。当時は弾きやすさ云々というよりも、そのギターから「奏でる音」と「ラフに弾ける」トーンと取り扱い面と斬新なデザインがとてもセンセーショナルでした。

EXTREME-RXを企画していく上で、いつかは作りたいと思っていたのがこの仕様。製造効率と塗装工程など様々手間のかかる事情があっての限定品。

オリジナルのレジェンドギターを「EXCELとBlack Cloudの流儀で作るとこうなる!」をしっかりと実現しギターとして具現化することができました。

パールボタンは欠かせない!

アイディアのルーツとなるのは、河内淳一(淳貴)さんのギターでした。興味あったらyoutubeなどで検索いただければと思いますが、90年代当時KUWATA BAND等で活躍する河内さんのギターがアイディアの種となっています。そのギターはメイプル指板でしたので、Limited Editionもメープル指板で行こうとBlack Cloud柳澤氏と計画している中で、「せっかくミッドナイトの塗装をするチャンスなのだから、マッチヘッドのほうが絶対カッコいいし、そうすると、指板はローズのほうが引き締まるよね。」そんな意見が交わされました。ルックス的には河内さんのTYLERとは少し見た目は変わりましたが、タネを明かせばそんなエピソードでした。

基本的にはTYLERのミッドナイトの近似色です。濃紺をベースに青系と銀系のラメを同時塗布。塗装はおなじみ「サイトウカラー齋藤氏」がペイント。工程上、このギターのために数日作業スペースを確保しなければならないため、一定期間をこのギター専用管理のもとで塗装が実施されます。(その点からも、もう作れないかも、、)

ブリッジ下はザグリ「リセス加工」ボディ。アームアップの幅を広げることと、ネックジョイント角度との相対関係を設計段階から計算したことで、ピックガードマウントと同じ感覚で弾ける位置に右手が来るように設計しました。

ピックアップはピュアシングルコイル、リアはカバー付きのハムバッカー。全て梨地のためパッと見はEMG?ファイバー素材?に見えますね。
実は、TYLERみたいに通称デカポールピースで設計する考えもない訳ではなかったのですが、今まであまりいい結果がでなかったのと、アイディア元になった河内さんのギターもそうではなかったですからね。

シングルは羽根のない形状にしたことで、全体のルックスは引き締まり、改造したかのような見た目になっているのが「カスタム」らしいデザインになりました。

元々、整備性と軽量化を考えて全モデル「裏ザグリ」にしているEXTREME-RXです。配線周りの点検もしやすく、電池ボックスも装備されていることから、アクティブ化の改造をする際にも容易に行える「ギターいじりユーザー」のことも考えたデザイン。

「RX」が一番喜ばれるのは、ネックグリップです。ナット幅はちょうどいい感じのナロー感。グリップはほどよいV形状で握りやすさが抜群。一度手にすると他の弾けなくなっちゃうかも。
ネックジョイントは通称「たまご型」形状。ハイポジションに一気に向かっても手がぶつかる感がなく、やさしくフィット。

質実剛健スタイル。派手な装飾で主張するのではなく(このギターは派手ですが..)、調整を施すことで長く使えるネック。RXは「使っていくこと」を考えたギターです。季節ごとの調整、将来的な消耗品の交換までも考慮しながら設計した長く付き合えるギターです。その時売れればいいさの商業的発想のギターが多い中、EXTREME-RXは愚直にやってます。

ブラッククラウドギタープロダクツ柳澤氏

実際沢山作れません。組み立ての全工程を柳澤氏一人で行っています。

今日の一枚|Live At The Montreux Jazz Festival 1993「Robben Ford & The Blue Line」

久々に「Roscoe Beck」大先生のベースを聴きたくなり、Music内を漁ってましたところ、

こんなのあったんだ。

Robben Ford & The Blue Line|Live At The Montreux Jazz Festival 1993

1993年のライブ盤。既にDVD化されている「イン・コンサート」と時期的には近い。

The Blue Lineは、本当に3人でやってるのかって位の厚みのある音楽。トライバルテックのような技巧派で攻めるのではなく、我々ギター・ベースプレーヤーにとって、そのフレーズや音作りや運び方に唸る迫力がある。

「ベースのロスコー・ベック」は私が好きなベーシストTop10に入る大好きなプレーヤーだ。何より氏の凄いのは「音」。あのウィル・リーも一目置くとインタビュー記事で読んだくらいに、ジャズベ*1本で僅かなタッチと強弱でトーンを変えているのが分かる。もちろん、演奏もそこには伴うのですが、超正確なタイム感、時折前に出たり、ロベンフォードのギターソロの入りなんか、導くようにビートを運んでいく。

(* = Stevensじゃないのか!ってマニアックな意見も出るかもしれませんが、今回は割愛。たぶん意味がわかる人は数人しかいないと思う。)

さらには、ロスコー・ベックは「あくまで私的には」ベースにエフェクターを使う数少ない成功例プレーヤーと言える。歪み系やコンプならともかく、ですが、コーラスやフェイザーなどモジュレーションエフェクトをセンスよく、そして、周りがウザくならない実に短時間に限って扱っている。この頃は確かBOSSのペダルマルチか何かだったと思う。ベースにエフェクター。ロスコー・ベックがやるとセンスがよいのだ。

ところで、アマチュアバンドに多い例で、ベースにやたらエフェクターがONされて、フレーズどころかグルーブ感も、音程感も損なっている演奏をみることがある。「言えない」と、社会人バンド特有の人間関係や社会的付き合いもなのか、かけられて迷惑とバンドメンバーは思ってる、かもしれない。
「ロスコー・ベックのウザくないエフェクターの使い方」は参考にしてみてください。

そして、泣く子も黙る!ロベン・フォード。説明不要ですね。今ですらyoutubeとかで動画で確認できる時代ですが、この当時(90年代)は音源のみで「どうやっているんだろう??」の時代。
この当時言われていたのは、「これ。どう聞いてもテレキャスで弾いてねーか? ロベン・フォードって本当にBaker使ってんの?」だった。今となっては一目瞭然ですが、当時はそんな風に楽器好き同士の楽しい会話、激論があった時代。

また別の機会で書きたいと思いますが、最も好きなアルバムはこちら。

Robben Ford & The Blue Line|Mystic Mile

ベース。いいなあ。