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SD9S2020|Tips「今、あらためて語る基本的なこと」

信州そばの如く「細く、長く」
SD-9SUPER(Maxonチューンナップ・プロジェクト)を始めるにあたって、当初、田村さん(元Maxon)とそんな話をしました。物が多い時代に長く売れ続ける物は少ない。瞬間的なヒットは意外と簡単にできてしまうが、「細く長く」売れ続けることのほうが難しい。

最初に発売した「SD9SUPER(初代)」から「SD9SV2」、そして現在の「SD9S2020」へと少しの改良を行なっていますが、本質的には初心のそのまま。ミュージシャンに配ることもせず、YouTuberに試奏PRを依頼することもなく(広めてくださっている方々は全てユーザー様です)口コミだけですが、おかげさまでロングセラーとなりました。

今回。あらためて、にはなりますが、同じようなペダルディストーションとの比較も気になる方も多いことから、SD9S2020の基本についてお話しいたします。

その1 SD9S2020の特徴のひとつに「ミッド〜ローの強化」があります。ONにした瞬間の気分の高揚感を高める意味(計画当初、田村さんには「テンションが上がる音」にしたいと説明)、ディストーションペダル特有の音が下がった感を補うために、周波数特性の強化を施しています。これにより、Maxon版に比べ、音の厚みと、ミドルの押し出し、ローエンドの厚みが豊富に進化しています。

DISTゼロ、TONEゼロの状態。

GAIN(DIST)ゼロで、TONEゼロの時(写真)。このツマミ設定時においても「ミッド・ローの強化は効いている」ため、このセッティングにおいてもMaxon版(市販のSonic Distortion)と音は異なります。

その2 TONEツマミ。SD9S2020のTONEツマミは、TONEポットとTONE回路そのものを改良しています。そのため、Maxon版(普通のSonic Distortion)ではシーソーのように音が変化するため開くと音がキンキンになってしまいますが、SD9S2020は「絞る〜開く」操作において普通のカーブで変化します。つまり、SD9S2020のTONEはシーソーのように変化せず、マイルドな音からエッジの効いた音まで「トーンシェープ」を綺麗に変化させることができます。

TONEはポットも、TONE回路そのものも改良している。

過去に他社モディファイ品等でTONEツマミの改良を施しているものはいくつかありましたが、「SD9S2020はTONE回路そのものを改良」しているため、オーディオの観点から見ても高く評価ができるチューンを実施しています。

その3 DC18Vまで対応。SD9S2020は、DC9〜18V駆動に対応。ペダル特有のタイトで小ぢんまりした(いい意味で)トーンであればDC9Vで、高ダイナミックレンジ、ハイ〜ローまで広く開放感あるトーンであればDC18V使用をお勧め。
結構変わりますので、電圧対応するパワーサプライをお使いでしたら是非お試しください。

弊社としましては、SD9S2020に関してはDC18Vの使用を推奨。巻き弦側はスッキリでてきます。プレーン弦側も開放的になります。しかしながら、それがピーキーなサウンドにはならず、実に使いやすいトーン、ニュアンスを維持しますので、18Vの使用が可能でしたら是非試してみて欲しいです。

*普通のSonic Distortion(Maxon版)をDC9V以上で使ってはダメですよ。壊れてしまいます。

販売について。ほぼ毎月発売を行なっていますが、作業時間の関係上、一度に沢山作ることができません。そのうえ製品完成時には一台ずつAudio Precisionによる計器測定も実施し万全の検品体制を経て販売しています。お買い求めはネットショップをご利用ください。