SD-9 →『SUPER』を推奨する理由。

こんにちは。

長く売れ続けるモノが少なってきた時代に..

発売から現在もご注文をいただくトップセラーモデルが「SD-9 SUPER by EXG」です。

地元企業Maxon製品を、元Maxonの(この説明不要でしょうけども念の為..)エンジニア田村進さんがチューンナップ!地元松本市から盛り上げていくプロジェクト!

TSの祖師として有名な田村さんですが、SD-9も田村さんが開発に携わったディストーション。最初の発売以降から何十年と今も現行機種として国内、海外でも人気、定番機種であることはご存知の通り。

定番機種ではありますが、
そのSonic Distortionにはユーザーが抱える「2つの悩み」がありました。

元々、「SUPER化」するプロジェクトについては、まずはこの「ユーザーの悩みを解消する」目的からスタートしました。

ノーマルのSD-9では、

1(悩み1) TONEを上げると音がキンキンになって耳に痛い。いい音なんだけど、TONEは絞って使わざるを得ない。

2 (悩み2)ONにした瞬間に音が下がる感じがする。

その理由を解説すると、

1 =については、SD-9のTONE、TONE回路の性質上、そうなるもの。
..って「そうなるもの」で終わらせるのもちょっと惜しい。

2 =は、聴感上の問題(※1)が多く、実際にはLevelが下がってはいないのですが、下がった様に聞こえるのがディストーション特有の話。「ディストーションってそんなもんすからね〜」の「そんなもんすからね〜」で済ませるのも惜しい。(※1=オーディオアナライザで測定すると判断できる。)

最低限この2点と、

それ以上の「何か」をやろう!と。

しかし..。

『IC変えたり、LED変えたり、穴開けて何か付け足したり、って、それ自体に意味(田村さんの場合「意図」と言う)があるならともかく、その「やった感」だけ高めてもユーザーは喜びますかね。果たして。』
..と、企画時のミーティングで話したのが今も印象に残っている。

シンプルに、

  • 使いやすく!
  • 音を最大限強化!

したのが、SD-9 SUPERです。

 icon-check-square TONE回路そのものを変更!
ポットだけじゃなく、回路そのものを見直し、TONEを絞れば丸く、開けば明瞭に(音はキンキンになりません!)、使いやすく改良。ポットのカーブと変化の仕方までしっかりと考えておりますので、「ただパッシブトーンにしました!」ってのと違います。回していただければ分かります。綺麗にTONEが変化するでしょう。

 icon-check-square ローエンドの強化!MIDの存在感アップ!GAINレベルも向上!
盛りだくさんな部分ですが(笑)、ONにした瞬間に音下がった感..って言うのは、SD-9 SUPERでは感じないでしょう。
ONにした瞬間から「うわ!音厚い!」つまり逆の印象を持っていただけます。特に低音弦を重厚に、巻き弦ゴンゴンのリフから、単音のリードトーンもミドルがしっかりと出る。歪みも十分。ノーマルSD-9より(※2)約10-15%GAINアップ!
(※2 最大値での話。ミニマム時はノーマルと同じGAIN量。だから扱いにくくない)。

 icon-check-square トータルサウンドの向上!
S/Nの改善、高ダイナミックレンジ化を実現。

 icon-check-circle-o どんな方々が購入くださっているか。
よく歪み、骨太である。ちょっとコモらせたディストーションも得意とすることから、AOR,フュージョンギタリストにも愛用されています。ハードロック系も十分イケますよ。

icon-check-circle-o どこに売ってる?
・弊社、
・並びに「島村楽器」さんにてお買い求めください。(2019.6.22現在)

 icon-arrow-circle-down 製品ページ。

SD-9 SUPER「チューンナップレポート」 | S.Tamuraアーカイブス

(黒文字=田村進氏)

EXCEL:チューンナップ素体の「Maxon/SD-9」が誕生した話を教えてください。

(MaxonのSD-9 Sonic Distortionについて、)
「70年代後半から80年代に入る当時は、他のメーカーからもディストーションペダルが発売され始めた時期でした。

(写真:Maxon Sonic Distortion SD-9)

Maxon(株式会社 日伸音波製作所)もその流れに合わせて、SD-9を作り発売しました。ディストーションペダルとしてはMaxonの歴史上では(発売時期)最初の方に位置するモデルです。」

EXCEL:「SD-9 SUPER」の効果的なチューンナップ・ポイントをお聞かせください。

「ポイントは主に「2つ」あります。

・1番はやっぱりTONE(TONE機能)です。
オリジナルのMaxon/SD-9ではその性質上、TONEを7~9時くらいに絞って使うユーザーが多かった様です。

 
「SUPER」では、TONE機能を幅広く、そして、使いやすくするために、TONEポットだけ交換で済ませるのではなく、チューンナップ版としてリリースするためには、私は「TONE回路自体も一緒に変更する必要がある」と考えました。

(写真:チューンナップ版 SD-9 SUPER by EXG)

単にTONEポットを交換して完了ではなくて、TONEをセンター(12時)にして右左どちらに回しても使いやすくするために、

先ほど言った「TONE回路自体の変更を行った」上で、

変更後のTONE回路に合わせて、
「SD-9 SUPER」のために特別に用意したTONEポットへ交換しました。

チューンナップしたことで、TONEツマミはとても使いやすくなりましたね。音をマイルドにするまたはブライトにする、どちらにも使いやすくなりました。



そして、

・2番目のポイントは、EXCELさんからリクエストのあったコンセプトひとつ「ローエンドを重厚に」する点です。
 
チューンナップ作業中は、全て、Audio Precisionで検査(オーディオアナライザ、測定器による検査。以降「AP」「測定器」と省略)しながら、意図する音質がでるように、この辺かな?、この辺かな?と、繰り返しの作業を行いながら、試作機のテストを行いコンセプト通りの低域の厚みが出るようになりました。
 
「SD-9 SUPER」をお買い上げいただいているお客さんの多くが、フュージョンやAORファンであると聞いています。ユーザーさん達の好きなトーンと上手く合ったんでしょうね。よかったと思います。

「SUPER」のポイント、大変だった、苦労した部分を挙げれば以上2点ですね。もちろん、この他にもチューンナップ箇所はありますので、詳しいことは「製品ページを読んで」いただければ、と思います。」

EXCEL:最近の「ブティック系」と呼ばれるペダルエフェクターと、「当製品の作り方の違い」について田村さんのお考えをお聞かせください。


「今回の様なMaxonのチューンナップ版を作る、この様にもう一度見直しながら良い製品を作り出すものと、新しい(ブティック系と呼ばれる様な)エフェクターを作ることは「目指すものが違いますね。」

「作り方の違い」については、
私の場合はまず「製作環境」も違います。どこの、どういったパーツを、どこから用意するか、についても、培ってきた経験や、人と人のネットワークを使って、必要とする部品は手に入れやすいですし、


今回のSD-9 SUPERのTONE機能を例にすれば、
ツマミの動きに合わせて綺麗に変化する様に、ポットの「テーパーや値まで考え」て、「合致する部品を用意」する、時には考えに合った「必要とするパーツを特注できる」環境にあります。

私も長くやってきたんでね(笑)、
今回のチューンナップ版の製品コンセプトの方向性や、目指すゴールを聞いている打ち合わせの段階で、もうある程度どこをどうするかって直ぐ想像で思い描けてしまうんですよね。

AP測定器で1台ずつ測定、検査していることもそうですね。
音はもちろん、「ツマミの動きが正しく変化するかどうか」まで測定器でチェックすることで、アンプで音を出したチェックだけでは分からない、「可聴域(耳で聞こえない音域まで)までの検査」が行えるため、ワイドレンジな検査環境での製品作りを行っています。

なので、「何台中の当たりの1台!」ってことはなくて、お客さんは1台1台が個体差がほとんどない「SD-9 SUPER」をお買い上げいただけますからね。

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