プログレッシブ・ロック入門|名盤紹介

先週までの自宅療養中、寝てることしかすることがありませんでしたが(起きていられない)、その分、音楽を聞く時間だけはいつも以上にあった。

プログレッシブ・ロック

たまに、何かのきっかけで、「僕もプログレ聴きますよ!」と言われることがある。”も”ってことは、私、前にそんなこと(プログレ好きって)言ったことあったっけなー、どっかに書いたかなー、書いたことがあるんだろうな。

続けて「ドリームシアターとか最高っすよね!」と言われると、そうか、ドリームシアターもプログレに分類されるのか、どうなんだ?..と思って話を聞いている。中には、どう聞いても「それ、フュージョンじゃね?」みたいな話題が飛び出してくることも。

プログレッシブロック。この概念って難しい。「これ」って言う定義がある訳でもない。いや、自由それこそがプログレと言えるのかもしれない。

私がプログレの識者として一目を置いているのが、情報番組の元司会者でお馴染みの小倉智昭さんで、小倉さんのプログレ考、解説はわかりやすく、大変多くの知識をお持ちである。できれば1冊本を出して欲しいくらい。その小倉さんが以前メディアで語っていた「ジャンルの枠にはめることなく、とにかく色んな音楽を取り入れて新しいことをやってみよう!と生まれた音楽がプログレッシブロック。」この紹介を聞いた時、その通りだ!と膝を打った。

プログレはテクニック自慢をする音楽では決してないのだが、再現しようとするのは難しいし、時間的に長い楽曲が多かったり、聴く人によっては重苦しく感じる音楽が「プログレ」であるようですが、抽象度を上げて聴いてみれば、そこには壮大で、なおかつイージーな世界観が広がっていく音楽。
そんなことから「プログレ=絵・音楽」と例える人もいる。CAMELやyesをジャケット見ながら聴くと感動で泣けてくる。という話もよくわかる。

本題に。いきなり、Pink Floydだのってところから入るととたんに間口狭まるので、、RUSHも、Asiaもいっぱい書きたいことは山のようにありますが、
今回は「入門」と言うのだから、ごく入りやすい間口として名盤を紹介。

FENCE OF DEFENSE

私的プログレッシブ・ロックと言ったら、「FENCE OF DEFENCE(日本のバンド)」が欠かせない。一般的にはハードロックバンドとして知られているようですが、ベースとなっているのは往年のプログレッシブロック。お客様にもよくお勧めすることがある。
今時だと、「フェンス・オブ・ディフェンス」と言っても知る人が少なくなった。日本の実力派ミュージシャンが結集したそれはそれはカッコいいバンドなのですよ!

経歴解説はwikiなど読んでくだされば明解なので割愛しますが、数多くリリースされたアルバムは、時代ごとにエッセンスが異なる。ハードロック(当時NEOハードロックとか呼ばれた)基調から、ポップ路線(GENESISなどに影響を受けたと思われる)まで多彩。
その中でも、お気に入りを絞るのは本当に悩ましいんですが(全部良いので)、Apple Musicで聴ける範囲で紹介するなら、


FENCE OF DEFENSE 「II」すんなり聴きやすい。プログレ初心者も安心の一枚。


FENCE OF DEFENSE「Primitive New Essence」
こちらは実質の最新作。これまでの集大成と言える「壮大」な音楽が広がる。


フェンスは多くのアルバムで1曲目はインストと決まっている。じっくりと、全体を通じたアルバム1枚で聴き切る世界観は常に1曲目のインストから始まる。

この辺を「入り口」にプログレの世界へ入って行きましょう。世の中にはまだまだ色んな音楽あります。

そして、

私個人的にですが、FENCE OF DEFENSEのドラマー「山田亘(わたる)」さんが大好きなのである。アイドルドラマー3人を問われれば、必ず山田亘さんの名前を挙げる。

その山田わたるさんのソロプロジェクト「TARUZ」もお勧めです。フェンスとはまた違ったプログレの世界観が広がります。

聴いてみてください。それではまた!

 

 

名盤紹介から振り返る日本。

日頃。過去の名盤を、その時々の制作環境だったり使用機材の数々などを私の仕事と重ねながら聴くことが多い。私にとって発見や参考になる宝庫だと思う。そんな中、1985-90年代の「日本の音楽」を聴くとまた別の側面で思うことがある。その年代はいわゆるバブル絶頂期。日本が活気と豊かさに満ち溢れていた時なのだ。今の若い世代には想像がつかないかもしれません。

私より少し年上のある政治家が「私は高度経済成長期だのバブル絶頂期を知らない」と平然と言ってしまうことのほうが驚きだし、問題だね。

今日紹介するその時代の「2枚のライブ盤」。今、きちんとした高解像度のオーディオを通し、目を閉じて聴くとライブの臨場感が高まり、そんな時代と現代とのあらゆる側面が思い浮かぶ。

1KUWATA BAND

1986年に桑田佳祐さんが結成したバンド。KUWATA BANDはホンモノの「日本の超一流・凄腕のスタジオミュージシャンが集結」した凄いバンドでした。ギターの河内淳一さんのテクニックはもちろん、その当時はギターサウンドも先を行く存在で、日本国内のプレーヤーに「ラックサウンド」「カスタムギター」を広めたお一人でもある。

今でも私は「+Detune」のコンビネーションは河内さんのサウンドを思い浮かべてセッティングしている(FRACTAL/EXCEL PRESET)ルーツである名ギタリストです。

ベースの琢磨仁さんも凄い存在感あるベーシストで、(あえて)音数は少ないが絶妙な”間”だったり休符やタメと言った音符の長さ、シンプルなフレーズなんだけど「巧さ」が溢れている。そのフレーズからボーカルの桑田さんも歌いやすいことも想像ができる。

ライブ盤ではやっぱり名曲「BAN BAN BAN」が一番好き。歌詞も。

2COMPLEX

説明は不要、かもしれないが、最近若い世代の方にとって吉川晃司さんは役者のイメージが強く「ボーカリストなんですか?」と思う方も多い。(個人的には吉川晃司さん=三国志博士のイメージもありますが)

ライブ盤収録の「1990」を聴くと、活気満ち溢れたあの頃の日本を思い出す。その時代、そこからただひたすらに日本の成長や希望を疑わないことが歌詞や、布袋さんのギターソロから溢れるほどに感じられる。今の時代聴くと特に元気がでますね。1990は私の大好きな曲です。オリジナル収録の2ndアルバム「ROMANTIC 1990」今思えばこのタイトル、なんていいタイトルなんだ。来年の日本はROMANTIC 2024になるといいね。

 

これら、1980-90年初頭の時代に。そこから”あの”1997年〜そして現代をその当時誰も想像もしてなかったんだろうな。私もしてなかった。いや、今になって思えば「恋をとめないで」はその時代から現代へのメッセージなのかもしれない。そして、日本のこの2年間で失いつつある日本人の活力をこの2枚のアルバムを通じて私個人は高めなおすきっかけとなっている。