音楽を聴く。
現代の主流は、スマホに入れた音楽を指で呼び出し、イヤモニで聴くのが普通。
タイムスリップして、
昭和50年代…私が子供だった頃。
音楽を聴くためには、応接間にあるステレオ(当時多くの方がオーディオを総称して「ステレオ」と呼んでいた。)に、レコードをセットし、針を落とし、ボリュームを整え、正座して聞いたものです。
聞き終えたらクリーナーでレコード盤を綺麗にして、元の位置に戻す。(そうしないと親父に怒られると言う。)
ま、この様に、1曲、1アルバム聴くためには、今では考えられないくらいの面倒臭さがありました。
しかし、
この手間と、針を落とす緊張感を持ちつつ、大きい口径のスピーカーから体感する音量は、
今で言う「ダイナミックレンジやレスポンス」と言った体の奥底に潜む感情や感覚的なものを、子供時代から少しずつ築いていたのだと思います。
今日の話。こんなことを思い出した出来事が、こちらの「アンプシステム」でした。この組み合わせで鳴らしたのは久しぶりです。
ちょっと前、と言っても10年くらいになっちゃいますが、その頃まではこれが「頂点」であり「定番」だったんですけどね。
何と言ったらいいのかな、
最近ではモデリング機器で近い音が出せる時代ではあるものの、
VHTにSPが繋がっているのを確認してから(そうしないと壊れる)、MAIN電源を入れる。
しばらく待つ・・5分以上。この間にコーヒー1杯飲める。
そして、スタンバイSWをONにして、ボリュームを開く。
なんか、この一連の準備作業がもう既に一つの世界観があって、
冒頭の「子供時代のステレオ」の話に近いんですよね。
実際に音も、少しのノイズを含んで(機器固有の)、前に出てくる奥行き感を感じながら音が飛び出す様に出てくる。よく、艶っぽさとか形容される点はこの様な本物の真空管機器ならではかと思います。
モデリング機器にはない音と、感覚的な部分は、オーディオで言うレコードとCDの違いに近いんでしょうか。