定期的な調整をお勧めします。| ギター、ベース

お持ちのギター元気ですか?

ほぼ毎日弾いているなら異常にも気付きやすいですし、早めの調整に繋がります。健康状態と一緒。

放置。が一番怖いです。もっと怖いのは、ハイエンドギター、リミテッド系の貴重なギターオーナーに多い「もったいなくて弾いてない」ギター。ケースに数ヶ月以上、1年とか2年以上しまいっぱなし。「弦は外した?」それ、実際あまり効果的ではないですが、そのままケースにしまいっぱなし。

「だから大丈夫」と言う方も結構います。ケースに放置。保管と言う意味ではまだいいですが、ケース内の枕と温度、ムレ、湿気、この状況が混じり合って、自動的に「ケース内部で熱修正(悪い意味で)」されていませんでしょうか。

「久々にケースから出して弾いてみたけど、あんまし問題ないようですが、少し弦高高いかな、くらいで、」

..で、預かってみると、トラスロッドのキャパ以前にネックは波打ち状態で「ネック補正+リフレットですね宣告」のギターもこのシーズンで数件預かってます。

順反り放置、逆反り放置、どっちもよくありません。後にトラスロッドのキャパが(中古楽器の文言に多い)どうのこうのではなく、調整がきちんと効かなくなってしまいます。

新品のギターであっても、数年後に「すり合わせを含めた再セットアップ」を行うことで調子良くなりますし、新品時のシャキ!っとした新鮮味が戻ってきます。これ、お勧めしています。実際やる方とそうでない方がいらっしゃいますが..。
そこから数年経ったら弾き込んで行くことで、自ずとフレット交換にはなりますが、そうやってギターと長く向き合って愛用いただきたいものです。

お預かりした時の判断にもよりますが、当然ながら調整のみで簡単に済む場合もありますし、フレットすり合わせや、リフレットなど「これを機に」の手を入れる、車で言うオーバーホールの考えはギターにも取り入れることをお勧めします。

料金。リペアもピンキリです。安さが売りのところで安かろう悪かろうでは処置後に響く。よそ様で処置して困ったものなどお持ち込みになる方もいらっしゃいますが、手直しどころか、うーむ、、これなら何もしない方がよかったのにな..と、後々、復元や複製レベルまで直さないとならないものもあるため、価格で見るより「仕上がり=価格」でお考えいただくことをお勧めします。

通常デタッチャブルのギターで、すり合わせ(再成形含む)+セットアップで、32,000(税込/弦代金別)〜からです。リフレットの場合は、65,000(税込)からです。ステンレスフレット、ローアクション化など相談別途。

なお、

オカダインターナショナル製品(Suhr,Sadowsky,b3等)はオカダインターナショナルへ当店が窓口となり依頼を行います。料金は異なります(オカダさんの場合、自社製品のサービスはリーズナブルに行なっているため、一般的なリペアサービスよりお安いと思います。)

ご依頼前には必ず事前相談をお願いします。たまに、いきなりギターが届いてビックリすることがあります。見積もり出して今度はお客さんビックリと言う..。そうならないために、前もってご連絡をお願いします。

 

SD-9 SUPER「チューンナップレポート」 | S.Tamuraアーカイブス

(黒文字=田村進氏)

EXCEL:チューンナップ素体の「Maxon/SD-9」が誕生した話を教えてください。

(MaxonのSD-9 Sonic Distortionについて、)
「70年代後半から80年代に入る当時は、他のメーカーからもディストーションペダルが発売され始めた時期でした。

(写真:Maxon Sonic Distortion SD-9)

Maxon(株式会社 日伸音波製作所)もその流れに合わせて、SD-9を作り発売しました。ディストーションペダルとしてはMaxonの歴史上では(発売時期)最初の方に位置するモデルです。」

EXCEL:「SD-9 SUPER」の効果的なチューンナップ・ポイントをお聞かせください。

「ポイントは主に「2つ」あります。

・1番はやっぱりTONE(TONE機能)です。
オリジナルのMaxon/SD-9ではその性質上、TONEを7~9時くらいに絞って使うユーザーが多かった様です。

 
「SUPER」では、TONE機能を幅広く、そして、使いやすくするために、TONEポットだけ交換で済ませるのではなく、チューンナップ版としてリリースするためには、私は「TONE回路自体も一緒に変更する必要がある」と考えました。

(写真:チューンナップ版 SD-9 SUPER by EXG)

単にTONEポットを交換して完了ではなくて、TONEをセンター(12時)にして右左どちらに回しても使いやすくするために、

先ほど言った「TONE回路自体の変更を行った」上で、

変更後のTONE回路に合わせて、
「SD-9 SUPER」のために特別に用意したTONEポットへ交換しました。

チューンナップしたことで、TONEツマミはとても使いやすくなりましたね。音をマイルドにするまたはブライトにする、どちらにも使いやすくなりました。



そして、

・2番目のポイントは、EXCELさんからリクエストのあったコンセプトひとつ「ローエンドを重厚に」する点です。
 
チューンナップ作業中は、全て、Audio Precisionで検査(オーディオアナライザ、測定器による検査。以降「AP」「測定器」と省略)しながら、意図する音質がでるように、この辺かな?、この辺かな?と、繰り返しの作業を行いながら、試作機のテストを行いコンセプト通りの低域の厚みが出るようになりました。
 
「SD-9 SUPER」をお買い上げいただいているお客さんの多くが、フュージョンやAORファンであると聞いています。ユーザーさん達の好きなトーンと上手く合ったんでしょうね。よかったと思います。

「SUPER」のポイント、大変だった、苦労した部分を挙げれば以上2点ですね。もちろん、この他にもチューンナップ箇所はありますので、詳しいことは「製品ページを読んで」いただければ、と思います。」

EXCEL:最近の「ブティック系」と呼ばれるペダルエフェクターと、「当製品の作り方の違い」について田村さんのお考えをお聞かせください。


「今回の様なMaxonのチューンナップ版を作る、この様にもう一度見直しながら良い製品を作り出すものと、新しい(ブティック系と呼ばれる様な)エフェクターを作ることは「目指すものが違いますね。」

「作り方の違い」については、
私の場合はまず「製作環境」も違います。どこの、どういったパーツを、どこから用意するか、についても、培ってきた経験や、人と人のネットワークを使って、必要とする部品は手に入れやすいですし、


今回のSD-9 SUPERのTONE機能を例にすれば、
ツマミの動きに合わせて綺麗に変化する様に、ポットの「テーパーや値まで考え」て、「合致する部品を用意」する、時には考えに合った「必要とするパーツを特注できる」環境にあります。

私も長くやってきたんでね(笑)、
今回のチューンナップ版の製品コンセプトの方向性や、目指すゴールを聞いている打ち合わせの段階で、もうある程度どこをどうするかって直ぐ想像で思い描けてしまうんですよね。

AP測定器で1台ずつ測定、検査していることもそうですね。
音はもちろん、「ツマミの動きが正しく変化するかどうか」まで測定器でチェックすることで、アンプで音を出したチェックだけでは分からない、「可聴域(耳で聞こえない音域まで)までの検査」が行えるため、ワイドレンジな検査環境での製品作りを行っています。

なので、「何台中の当たりの1台!」ってことはなくて、お客さんは1台1台が個体差がほとんどない「SD-9 SUPER」をお買い上げいただけますからね。

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↓製品ページはこちら↓