システム製作記|ペダルボード組み直し事例。

当店ではデジタルDSP系アンプモデラーのほか、従来の方式である「ペダルエフェクター」のシステム製作も行っております。基本的には「お買いものいただいたものを使えるようにする」アフターサービスの取り組みのため、お持ち込みのご依頼は承っていません。

 今回は組み直し依頼。

お客様はFRACTALユーザーですが、「ちょっとスタジオでセッション」のようなシーンで、手軽に持ち運びたい時、ペダルエフェクター特有のツマミ操作で音を作るギターキッズ時代に回帰できる気持ちの面でも、ペダルボードは必須。

早速。今まで使っていたボードを分解し、組み直しに入ります。機材の入れ替えも幾つか実施。

ボードは「Aclamのエフェクターボード」既存のものを使います。このボードは、アタッチメントで機材を固定していく仕組み。いいアイディアなんですが、現在輸入元がありません。機材が増える都合で別売の固定部材が手に入らないため一部は両面テープ等で代用して行きます。

いいボードなんですけどね。ヒートシンク状になった形状で放熱性もいいし、溝にケーブル類も挟めたり、アイディア次第で綺麗な配線周りに仕上がるんですが、使い込んでいくと「隙間にゴミが溜まりやすい」のが難点。
今回、一回分解して、綺麗に洗浄。洗浄後は表面の油分を失うのでツヤ出し剤を塗布。新品のように蘇りました。
..って、途中の写真を撮ってませんが、下準備をしっかり行った上で、

機材固定して、
パッチケーブルを作り、
DCケーブルを加工し、
配線、

ほぼ完成。

製作途中の様子って写真撮れないですね。忘れているのではないのですが、没頭していると(写真撮ろう)そう考えない。

さて、今回のご依頼は従来のボードから機材はほぼ入れ替え。「新しいよいモノ」があれば積極的に取り入れて行くのが楽しいギターライフ。オーバードライブのタコドライブや、RODENBERGの新機種COMMANDERなど、歪み系は刷新。その中でSD9SUPERはずっと使い続けていただいてます。よいものは飽きない。

コンプ、ディレイは最新のDiamondに入れ替え。Diamondのコンプはしっかりと掛かるうえ、EQが結構エグい。ちょっと遅れて引っ張るようなコンプレッションが特徴。気持ちいいコンプです(旧型と異なります)。
ディレイのMEMOLY LANEは、ディレイに、モジュレーションを追加できるSWを装備。あまりコーラスは使わないが、クリーントーンでディレイエフェクトに少し揺れを加えたい時に重宝します。結構役立つ機能です。コーラス(MOD)も綺麗にかかります。

完成後はサウンドチェック。

こちらのボードはアンプのクリーンINPUTで使います。MEMORY LANEの操作性を考慮し左下に配置したため、端子の向きの都合上、Lプラグのラインケーブルを製作。(ケーブルは長年使ったものは交換をお勧めしています。)

音を出し、確認。しっかり組んだボードは音の透明感やエネルギー感があります。配線周りもしっかりと固定しておけば機材トラブルの防止にもなるうえ、使う「プレーヤー目線」で考えても、綺麗なボードはテンションが上がる要素となるでしょう。それではいい機材でいい音をお楽しみください!

使用機器(順不問)

  • Strymon:Ojai(パワーサプライ)
  • CAJ:HUB-6II(パワーサプライ)
  • t.c:ペダルチューナー(MuteSW兼)
  • SOURCE AUDIO:ZIO(バッファー)
  • Diamond:COMP/EQ(コンプ)
  • Diamond:MEMORY LANE(ディレイ/コーラス)
  • Interstaller:通称タコドライブ(オーバードライブ)
  • RODENBERG:COMMANDER(ディストーション)
  • EXTREME GUITAR FORCE:SD9SUPER Old ver.(ディストーション)

AXE-FX3 MKII TURBO「FC-6MKII」|システム製作記(その2・製作編)

当店では『FRACTAL AUDIO SYSTEMのシステム製作一式納品』を実施中。本体、足元のペダルボード(FC-6or12)まで一式でセットアップ、本体のエディティングとSystem設定まで行い、お客様は「電源ON!で直ぐに使える快適さ」まで製作中(持ち込みはお受けしていません。)

過去製作事例などもございますので詳しくは特設ページをご覧ください。
前回までの話。
→ その1・下準備編。

今回は「製作編」

前回、下準備した2台のEXPを、ボードに固定。固定には自動車部品の卸業者から購入した業務用の強力なマジックテープを使います。

ここで、よくお客さんの自作ボードで広い面貼りしているものを見かけますが、強力なテープ素材のものなら「下駄」程度で十分貼りつきます。脱脂(しない場合もある)して貼り付け、このまま24時間以上放置。密着性が高まります。

EXPペダルの配線に入ります。このところTRSは既製品は使わず、長さを合わせて製作しています。

音質には関係がない部分ですが、ケーブルの取り回しや、プラグの抜けにくさ、誤作動などのトラブルを起こさないようにケーブルはしっかりと作り、取り回しを仮止めして確認します。

続いて配線を部材固定したいところですが、動かないといけませんので..一旦、母艦に接続して動作確認します。

FC-6「MKII」ですので、表示が大きいですね。見やすいです。FC-6には1本のXLRケーブルで電源供給され、チューナーの表示もできます(要EDIT)。

必要なEDIT項目を忘れないように付箋にメモしています..

ついでに、ペダルキャリブレーションや、必要な設定を母艦本体で行います。
=PCではできない項目だから。

一通りの動作検証OKを確認し、

配線部材を使ってケーブル類の固定と、取り回しを行います。

ピタッと。綺麗に。

これでボードは完成。

いよいよ、母艦へ接続し本格的なエディットに入ります。

「養生」も欠かさず慎重に!

さて、ここからが一番長い作業。

→その3(完成編)はこちら。