田村進氏「はい。その前にまず、ペダルのコンプレッサーとは「メカニズムで大きく分けると2種類」あることをご説明します。」
・1つ目は「オプティカル」これはフォトカプラーやCdSを用いたコンプレッサー。
・2つ目は「VCA」つまりICを使った物。OTAコンプ(Operational Transconductance Amplifiers)と呼ばれるダイナコンプやROSSが代表的な物ですね。
「MaxonのCP101は、前者のオプティカルを使用」しています。
同時にそのCP101をチューンナップしている、
「CP101 SUPER by EXG」も「オプティカルのコンプレッサー」です。
田村進氏 まず最初に 「Level」です。
CP101の最初の設計時(1970年代)は、今ほどギターの種類は多く存在しませんでしたし、 他のエフェクターやアンプにしても、それらをCP101と併用することも広く想定はできない 時代でした。
現代はギターの種類、ピックアップのパワーの違いも様々ですし、 それらを鳴らす環境(アンプなど)も多様化しています。 今回、「CP101 SUPER」へチューンナップするにあたって、 私はその辺りも全面的に見直すことにしました。 つまり、現代のギター、アンプシステムに対応する工夫をしました。
「CP101 SUPER」本体への入力はシングルコイルの他に、ハムバッカー、 特に近年のギターではハイパワーなハムバッカーを搭載したギターもありますので、 それら「多様化に対応できるレベルに設定」へ変更しました。 デモムービー(CP101SUPER製品ページに掲載中)にも紹介されている通りに、 もちろんシングルコイルの使用もいいですし、 ハムバッカーでの使用に対しても、音が沈んだ感じにならずに使える様になりましたね。
次に「コンプの掛かり方」です。
「CP101 SUPER」は、コンプレッションポイントの設定を変更しました。 分かりやすく言うと、「スレッショルドの設定を改良」しています。
この「スレッショルドの設定を改良する」については、ユーザーの使いやすさも考えました。ギターを弾きながら、SUSTAINツマミを回して行くと、どこかの位置で急に変わることもなく、滑らかに変化して行きますから、操作性もよいですし、お好みのポイントへセッティングしやすいと思います。
あとは「ノイズの改善」です。
「CP101 SUPER」はノイズの改善、特に高域のノイズについては大幅に改善させました。けれども、低域の出方はナチュラルに出し、その上で、S/Nが改善されたことで、コンプレッサーであっても、ONにした時の「シャー」と言うノイズはほとんど気にならないレベルにまで改善できました。
田村進氏 先ほども言いましたが「どっちが良いか悪いかではなく」ダイナコンプみたいな、いかにもコンプが掛かった音へと変化する「大きなエフェクト効果」を望むものと「CP101SUPER」は違いまして、
「CP101 SUPER」は、
フォトカプラーとオペアンプで作るシンプルなコンプレッサーの利点を活かし 、全体の音質を変えずに、なおかつコンプレッサーを掛けることが出来る機器です。
「原音忠実」と、コンプレッサーのキャッチコピーでよく目にする言い方ではありますけど..「CP101 SUPER」は「正にそれですよ」と言える、「最も生音に近いコンプレッサー」だと思います。
掛かっているか掛かってないか分からない位のレベルまで極端に薄くすることもできますので、ギター本来のクリアーな音質のまま、コンプレッションが優しくかかり、音はとても綺麗に揃う、そう言った使い方ができます。ユーザーさんは「演奏もしやすくなる」と思いますよ。
“CP101 SUPER「チューンナップレポート」 | S.Tamuraアーカイブス” への1件の返信